正規部分群と剰余群
正規部分群
正規部分群すべての について であるような部分群 を 正規部分群 といい、 で表す。
可換群の部分群可換群の部分群はすべて正規部分群である。
剰余群
剰余群、任意の に対し、剰余類 の積 を
で定義する。このとき、
は剰余類を元にもち、演算 について群である。これを の正規部分群 に関する 剰余群 という。
以下では が演算 について群であることを示す。
- 閉性:演算の定義から明らか。
- 結合律: をとると
- 単位元の存在: を の単位元とするとき、 より は単位元となる。
- 逆元の存在: の における逆元を とするとき、 より は の逆元となる。
可換群とその部分群からなる剰余群が可換群ならば、 による剰余群 も可換群である。
正規部分群の判定定理
正規部分群の判定定理
必要条件は、 より なる があって、 を右から作用させれば を満たす。
十分条件は、 より、まったく逆に を右から作用させて 、よって 。
参考
書籍
『群・環・体 入門』新妻弘、木村哲三 著(共立出版、1999)